第19章 後になって彼女の愛に気づく

黒谷優は力なくベッドの端に腰を落とし、震える手でスマホを取り出すと、指が勝手に覚えている番号を、もう一度だけ――そう願いながら発信した。

ここ数日、何度も何度もかけた。

毎回、電源が切れている。

彼は思っていた。彼女が電源さえ入れてくれれば、通話さえつながれば、どれだけ罵られても、どれだけ泣きわめかれても、離婚を突きつけられても――頭を下げる。謝る。何でもする。帰ってきてさえくれれば、それでいいのだと。

「……プー……」

長い呼び出しのあと、つながったのは相手の声ではなく、無機質な女性音声だった。

『申し訳ありません。おかけになった電話番号は現在使われておりません』

……使われ...

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